「紙をペリペリ剥いて使う『ダーマトグラフ』ってどんなペン? 水性と油性の違いや見分け方は?」

「ガラスや金属、紙に書いたダーマトグラフを消しゴムやアルコールできれいに消す方法(消し方)や、失敗しない紙の剥き方(削り方)を知りたい!」

昭和レトロな佇まいと、糸を引っ張ってクルクルと巻き紙を剥がす独特のギミックがたまらない「ダーマトグラフ(グリースペンシル)」。かつては編集者・校閲者の原稿チェック(ダーマトチェック)や、写真フィルムのマーキングに必須のプロ用筆記具でした。

ダーマトグラフとは?一言でいうと

ガラス、金属、プラスチック、フィルム、陶器、木材、皮膚など「普通のペンや鉛筆では弾かれるツルツルした素材」に滑らかに書けて、水拭きやアルコールで簡単に消せる紙巻き色鉛筆(グリースペンシル)。
芯にワックス(油脂)を含んでおり、鉛筆削りを使わずに内蔵された糸を引いて巻き紙を剥くだけでいつでも芯を出せるのが最大の特徴です。

本記事では、文具好きの筆者がダーマトグラフの油性(No.7600)と水性(No.7610)の決定的な違い、素材別のきれいな消し方(消しゴム・アルコール等)、失敗しない削り方(紙の剥き方)、マーキンググラフとの違いや便利な使い方まで徹底解説します!

✏️ この記事でわかること
・【徹底比較表】油性(No.7600)と水性(No.7610)の違い・見分け方・用途
・【素材別】ダーマトグラフの綺麗な消し方(消しゴム・水拭き・アルコール・オイル)
・失敗しない!ダーマトグラフの削り方(糸の引き方と巻き紙の剥き方3ステップ)
・日常&プロの現場で役立つ便利な使い方(校正チェック・保存容器ラベル・イラスト)
・ダーマトグラフ vs マーキンググラフ(トンボ鉛筆)vs ノック式ホルダーの違い

1. 【徹底比較】ダーマトグラフの「油性(No.7600)」と「水性(No.7610)」の違い

三菱鉛筆(uni)のダーマトグラフには、用途に合わせて「油性(K7600)」と「水性(K7610)」の2種類がラインナップされています。購入前に必ず押さえておきたい違いを比較表にまとめました。

比較項目 油性ダーマトグラフ(No.7600) 水性ダーマトグラフ(No.7610)
型番・見分け方 軸に「DERMATOGRAPH 7600」と印字(最も一般的・定番) 軸に「WATER-SOLUBLE 7610(水溶性)」と印字
水への強さ(耐水性) 水に強い(耐水性◎)
雨や水滴・結露でも文字が消えない
水で簡単に溶けて落ちる
水拭きや水洗いでサッと消せる
カラー展開 全12色(赤・黒・白・黄・青・緑・橙・茶・紫・桃・水・黄緑) 主要色(赤・黒・白・黄・青など)
おすすめの用途 屋外作業、冷凍庫の保存容器、金属・ガラス・プラへの長期マーキング、原稿校正、デッサン 一時的なガラス・陶器・鏡へのメモ、水洗いして何度も使う容器のラベリング、水彩表現
ツルツル面の消し方 乾いた布で強く拭くか、アルコール(消毒エタノール)・オイルで一拭き 濡れティッシュ・水を含ませた布でサッと一拭き

2. 【素材別】ダーマトグラフの綺麗な消し方(消しゴム・アルコール・水)

「ダーマトグラフで書いた文字はどうやって消すの?」「普通の消しゴムで消える?」という疑問に対し、書いた素材(紙 vs ガラス・金属・プラスチック)ごとのベストな消し方を解説します。

書いた対象・種類 最も綺麗に消える方法 注意点・コツ
ガラス・金属・陶器・プラ
(油性 No.7600の場合)
① 消毒用エタノール(アルコール除菌シート)
② ハンドクリームやクレンジングオイル
ワックス(油脂)成分で定着しているため、アルコールや油分を馴染ませてティッシュで拭くと跡形もなくツルツルに落ちます。
ガラス・金属・陶器・プラ
(水性 No.7610の場合)
水で濡らした布・ウェットティッシュ・水洗い 水溶性ワックスのため、水拭きだけで瞬時にスッキリ消えます。
紙・ノート・原稿用紙
(油性・水性共通)
① 砂消しゴム・色鉛筆用消しゴム(シード「カラリス」等)
② 練り消しゴム(デッサンの修正時)
紙の繊維にワックスが染み込むため、普通のプラスチック消しゴムでは伸びてしまい完全には消えません。紙に書く際は「消さない前提(チェック・校正用)」で使うのが基本です。

💡 紙に書いたダーマトグラフをどうしても薄くしたい時の裏技:
最初からプラスチック消しゴムでゴシゴシ擦ると、ワックスが熱で溶けて紙面に黒く広がってしまいます。まずは「練り消しゴム」を上からトントンと押し当てて表面のワックス顔料を吸着させてから、色鉛筆用の消しゴムで優しく消すと比較的きれいに薄くできます!

3. 失敗しない!ダーマトグラフの削り方(糸の引き方と紙の剥き方)

ダーマトグラフを初めて使う方がつまずきやすいのが「巻き紙の剥き方(削り方)」です。鉛筆削りやカッターを使わず、以下の3ステップで10秒できれいに芯を出せます。

巻き紙をきれいに剥く3つのステップ
  1. ① 糸を軸に沿って「1目盛り分(約7〜10mm)」だけ手前に引く:
    先端付近から出ている白いタコ糸をつまみ、軸に沿って真っ直ぐ下へ1cm弱だけ引っ張ります(巻き紙1周分に切れ目が入ります)。※一気に根元まで引き裂かないよう注意!
  2. ② 切れ目の端をつまみ、らせん状にクルクル剥がす:
    糸で切れた紙の端を指でつまみ、斜め下方向へクルクルと1周分だけ巻き紙を剥き取ります。
  3. ③ 新しい芯が約5〜8mm出たら完了!
    芯は非常に柔らかいので、出しすぎると筆圧で折れやすくなります。「1周分だけ剥く」のが折らずに長く使うコツです。

※もし細かい文字や精密なイラストを描くために「芯の先を細く尖らせたい」場合は、剥いた後の芯先だけをカッターナイフや紙やすりで軽く削ると、シャープな細線が書けるようになります。

4. ダーマトグラフの便利な使い方・活用シーン4選

プロの現場から家庭まで!4大活用法
  • ① 書類・原稿・PDF印刷物の校正チェック(ダーマトチェック):
    出版・新聞・設計業界の伝統技。蛍光ペンと違って「裏写りゼロ」「インク乾き待ちゼロ」「クリアファイルの上からでも直接書ける」ため、デスクワークのチェック作業が爆速化します。
  • ② キッチン保存容器(タッパー・ガラス瓶・ジップロック)の日付メモ:
    結露で濡れた冷凍タッパーやガラス瓶にも直接日付や中身を書けて、洗う時はアルコールや水拭きで簡単にリセットできます。
  • ③ 園芸プランター・DIY(木材・塩ビ管・金属・タイル)の墨付け:
    油性マジックだとペン先が潰れて書けないザラザラした木材や、油分のある金属パーツにも太く鮮明にマーキングできます。
  • ④ デッサン・クロッキー・手帳のアクセント:
    クレヨンと色鉛筆の中間のような濃密でしっとりしたタッチが、プロのイラストレーターやアーティストから絶大な支持を集めています。

5. ダーマトグラフ vs マーキンググラフ vs ノック式ホルダーの違い

文具店やホームセンターで見かける類似製品との違いも整理しておきましょう。

製品名 軸の構造 特徴・向いている人
ダーマトグラフ
(三菱鉛筆)
紙巻き式
(糸を引いて剥く)
鉛筆削り不要! 太芯(4.4mm)で折れにくく、手元でいつでも芯を出せる王道モデル。
マーキンググラフ
(トンボ鉛筆)
木軸式
(鉛筆削りで削る)
一般的な色鉛筆と同じ木軸。鉛筆削りで芯先を細く尖らせやすいのがメリット。
ノック式固形マーカー
(建築用ホルダー等)
樹脂ホルダー式
(ノックで繰り出す)
片手でノックしてすぐ書ける作業現場向け。レトロな質感や色数の豊富さではダーマトグラフに軍配。

6. 豆知識:ダーマトグラフの語源は「皮膚に書く医療用ペン」だった!

「ダーマトグラフ(Dermatograph)」という名前の語源は、ギリシャ語の derma(皮膚・肌)+ grapho(書く・記録する) に由来します(皮膚科を Dermatology と呼ぶのと同じ語源です)。

元々は外科手術の際、医師が患者の皮膚の上に直接切開ラインをマーキングするための医療用ペンとして考案されました。そのため人体に無害なワックスと顔料で作られており、安全性が非常に高いのも特徴です。

まとめ:1本約150円で一生使える名作アナログ文具!

三菱鉛筆のダーマトグラフは、1本150円前後という手頃な価格でありながら、「10年放置しても乾かず書ける」「ガラスから紙まで場所を選ばない」「糸を引いて紙を剥く瞬間が楽しい」という唯一無二の魅力を持った名作筆記具です。

まずは一番人気の「赤」や「黒」、あるいは見ているだけでワクワクする「12色セット」を、ぜひデスクやキッチンに迎えてみてください!